
相模原事件1カ月 障害者を地域の隣人に
2016/09/10
毎日新聞 2016年8月26日
社説
相模原市の知的障害者入所施設での事件から1カ月が過ぎた。容疑者が事件5カ月前に精神科へ措置入院していたことから、厚労省は再発防止のため措置入院や退院後のフォローのあり方について検討している。各地自治体や障害者施設では防犯体制の強化、警察との連携などを模索している。
「障害者は不幸を作ることしかできない」という容疑者の言葉に社会が揺れた1カ月でもあった。抗議の声が上がり、それへの賛同の輪が広がった。しかし一方で容疑者に共感を示す意見がネットなどで散見された。社会の暗い一面が事件によって表に出たともいえる。
容疑者は措置入院するまで同施設の職員だった。勤務中から障害者に対する虐待や暴言があったという。容疑者がどのような状況でゆがんだ障害感を形成していったのかを詳細に検証する必要がある。
施設の施錠を強固にし監視カメラを増やして防犯体制を強化しても、障害者への偏見や優生思想の侵入を防ぐことはできない。地域福祉の現場では、理解や配慮で障害者を守っているのだ。
障害者は地域で暮らす普通の隣人であるはずだ。多様性を身近に感じられる社会を築くことで偏見をなくしていきたい。





