SNSで障害者と連帯 「相模原事件」機に国内外で

2016/08/23

毎日新聞 2016年8月14日

 「私たちは、同じ世界で生きていくことができる」。事件を受け、亡くなった19人を悼み、事件で恐怖や不安を抱えた障害者を励ますメッセージと写真をソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)に投稿するキャンペーンが、国内外で広がりを見せている。犠牲者への哀悼をSNSで表現し、連帯を示す動きはテロ事件でも起きた。今回提唱した難病患者で明治学院大大学院生の大野更紗さん(32)は障害者への理不尽な凶行に心を痛め、「多様性を尊重する意思を見える形にして伝えてほしい」と呼びかけている。

 キャンペーンはウエブサイト(http//furiends4disability.org)にある「障害は多様性だ」「私たちは差別のためでなく、平等のために行動できる」など6種類のメッセージから好きなものを選び、それを掲げた自分や仲間、家族との写真をSNSに投稿することで誰でも参加できる。今月4日から始め、国外からも賛同の投稿があった。

 大野さん自身も難病の皮膚筋炎で、介護を受けなければ生活が困難だった。周囲には事件で外出が怖くなったという障害者が少なくないという。大野さんは「キャンペーンを通じ、健常者と障害者の間にコミュニケーションが生まれ、互いを理解するきっかけになればいい」と話す。