
旧優生保護法 補償認定2%どまり
朝日新聞 2026年9月9日
障害のある人たちに不妊手術や中絶手術を強いた旧優生保護法(旧法)を違憲とした2024年7月の最高裁判決から2年。国から補償を受けた被害者はごく一部にとどまる。旧法に基づく手術は約8万4千件とされるが、こども家庭庁によると、今年5月末時点の認定件数は1862件だった。
補償申請につなげるため、被害の掘り起こしや働きかけを行政がどう進めるかが課題だ。補償の窓口を担う都道府県に対し、こども家庭庁は被害者への「個別通知」を推奨する。
東京都は2月から個別通知を始めた。手術のことを思い出したくない、家族や親類に知らせたくないという人もいるなか、通知がプライバシーの侵害にならないための配慮が欠かせない。担当者は「悩みながら個別通知を決めた」と話す。都はこのほか、医療機関や障害者施設にリーフレットを配ったり、障害者団体の協議会で説明したりしてきた。
こども家庭庁は3月、これまで補償金を認められた被害者が手術を受けていた医療機関のリストを各都道府県に配布し、確認するよう求めている。しかし、どこまで被害者の掘り起こしにつながるかは不透明だ。
日本弁護士連合会が7月1日に開いたシンポジウムでは、被害者らの弁護団代表の新里宏二弁護士が「自治体の関心度も異なるため、国と自治体が協議を続けて対応を平準化することが必要だ」と訴えた。北海道で被害者のサポートをする桝井妙子弁護士は「『各自治体で頑張って』ではなく、国がしっかり取り組む姿勢を見せるべきだ」と注文した。自治体担当者からは、対応マニュアルを整えてほしいとの声もあったという。
被害者の一人、聴覚障害がある田中完智さん₍87₎も手話通訳を介して発言。宮城県知事からの謝罪などを振り返り「気持ちが伝わってきて、感激した」「補償がわからない人には教えてあげたらいい」と語った。





